2006年度

 社団法人鶴岡青年会議所 理事長所信

2006年度理事長 菅原 衛

 

《はじめに》

1949年、明るく豊かな社会の実現を理想とし、次代のリーダーとなる責任感をもって

 お互いに切磋琢磨しようという情熱をもった青年有志により“奉仕、修練、友情”の三信条のもと、日本のJC運動は始まりました。敗戦後、国家存亡の危機の中、また混沌の中でその志は全国に飛び火し、1967年、山形青年会議所のスポンサーにより鶴岡青年会議所は創設されました。

 そして今年で40周年を迎えます。日本経済の発展とはかならずしも同調しないこの地域において、今も尚、多くの先輩が地域社会の先導者として活躍する、当LOMの歴史を振り返ると改めて伝統の重みを感じるところであります。

 しかしながら近年は様々な理由で創始の志が失われていると感じます。

 それには時代背景や経済状況があるのでしょう。社会では毎日のように殺伐とした事件が起こり、報道されています。また行政、民間の組織機能の急激な変化とともにそれらの存在意義、個人でのありかたについても考え直す時なのでしょう。人間は進化していることを考えれば今日の変化は必然なのかもしれません。


《心を繋ぐ》

 いわゆるバブル期までの急速に経済成長した時代、確かに“もの”は豊かになりました。しかしそれと比例するように心が豊かになったでしょうか?出口の見えない不況とよばれて久しい昨今では利己的、自己中心的な行動があらゆる対立軸の軋轢の元になっていると思います。

 しかしながらどんな時代にも普遍なものもあります。それは人の“こころ“です。

 あらゆることが効率化される時代だからこそ精神や心といった内なることが重要になってくると考えます。

 何事においても人を敬う“こころ”が豊かでなければ、どんなに立派な地域社会や組織の一員であっても明るい豊かな社会にはなりえないと考えます。

 その為には、ひとりひとりが精神面で豊かになることです。

 そしてその豊かな“こころ“を繋ぐことから始めます。

 それが明るく豊かな社会を築きあげることに繋がります。


《新鶴岡市と繋ぐ〜LOM魅力発信室》

 県内では最大規模、全国でも稀な広域的大合併都市、鶴岡市が誕生しました。

 これには行政は元より他諸団体、各個人の将来への前向きな連携があったから出来えたことと考えます。我々JCでも10年ほど前から地域主権の必要性を提唱し、地方分権の可能性を探求してきました。そして合併元年ともいえる今年度、合併による新たな特色を活かせるような、政策提言などを行って、この地域社会を繋げていきます。


《次世代へ繋ぐ〜会員開発室》

 会員数100名前後と東北でも有数のメンバーに恵まれたLOMとして運営してきました。しかしながら全国的に会員が減少するなか、鶴岡青年会議所も例外ではなく、2006年度は80余名でのスタートとなります。人口の割合からいえば相当数以上を確保しているかもしれません。大切なのは量より質という理論があるかもしれません。しかしながら、JCでなければできない事業、JCだからこそ最大限の地域奉仕ができる青年はまだまだいるはずです。

 この地域の将来を担い、こころを繋げられる仲間を増やしていきましょう。

 また、新入会員はもとよりメンバー全体の更なるスキルアップを図りたいと考えます。


《ひととひととを繋ぐ〜交流室》

 40周年、ブロック会長輩出に伴う事務局運営、成熟期にかかった赤川花火大会開催などの大きな事業等が多い今年度。メンバー数が激減するなかで内部交流は大事な要素のひとつです。LOM内連携のあり方について見直し、組織としての強化を図っていきます。


《広域的交流で地域を繋ぐ〜未来創造室》

 本年度ブロック会長を輩出し事務局運営を預かることはLOMとして、貴重な体験をできる共に、将来への希望を繋ぐことができると考えます。

 ブロックとLOMを繋ぎ、実りのある広域交流で地域を繋ぎます。


《ひとづくりまちづくりを繋ぐ〜日本一花火運営室》

 “鶴岡の子供たちに花火をみせてあげたい”16年前に先輩達の純粋な思いで立ち上げられたこの事業も、15回というひとつの区切りを経て、いよいよ円熟期を迎えていると感じます。昨年、実行委員長の立場で参加させていただき、この事業の素晴らしさを体感できました。以前まではただただ大変な労力を費やし、できればNPO等の他団体での運営形態に変えたほうがいいと考えていました。

 しかしながらまちづくりという観点では、行政、市民の皆様から全面的な御理解、御協力をいただける程に認知していただいていることを直接的にも間接的にも実感できるようになりました。

 ひとづくりということでいえば、個々としての成長がみられる参加型事業は他に類をみないと思います。

 16年前、歴史的にも花火業界との関係もなにもない出発点から出発して近年の内容、規模の急成長を経ていよいよ成熟期を迎えて更なる節目を目指したいと思います。


《創志を繋ぐ〜40周年実行委員会》

 設立以来続く敬愛する先輩方のたゆまぬ努力による組織、事業運営により本年度40周年を迎えることとなりました。この節目の年に設立初志を再確認し、歴史を検証し、責任世代として問題意識をもって、どんな行動ができるのかを探求し次世代へ繋げなければならないと考えます。その想いを45年50年と未来に繋げていきます。


《おわりに》

 責任世代を担う我々は、未来へ胸を張ってこの地域を託せるように、あえて困難に立ち向かい、創始の先輩に劣らない高い志と、この混沌とした時代を担う強い覚悟を持って邁進してまいります。

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