理事長所信

第53代理事長 佐藤淳一

【はじめに】

この地域をより良い地域にするため諸先輩をはじめとする我々鶴岡青年会議所は、これまで52年間弛まぬ努力と熱い想いが脈々と受け継がれ運動を展開してまいりました。私は2011年の入会以来、多くの仲間とともに青年会議所活動・運動を行う過程で、仲間から力と知恵を借り、助けていただきながら様々な経験をさせていただきました。鶴岡青年会議所内での役職を担うことで自己の成長や、出向という機会をいただいた中から新たな仲間と活動し鶴岡青年会議所とは違うスケールメリットをもった事業を遂行することで、運動に対する重要性とともに楽しさを学びました。そんな中から自身なりにも成長と呼べる経験になっていると実感しております。その経験や想いを活かし、さらに多くのメンバーと共有するとともに、自分の持っている全力がこの地域を変えるに至るのか挑戦していきたい想いが溢れてきました。愛する鶴岡を想い、より良い地域への発展に向け最大限の効果を発揮するための運動を創造し、何を引き継ぎその先の未来へさらなる運動としてつなげていけるのかを考え、明るい豊かな社会を目指し、笑顔に満ち溢れるより良い地域へ変革するための運動を展開してまいります。

【公正かつ厳粛な組織運営】

公益社団法人として運動を行う我々は、組織運営を行う上でメンバー間の情報共有や各種調整と定款及び諸規定に基づいた理事会運営及び活動運営と公益会計基準に基づいた適正な財務執行及びコンプライアンスを順守しなければなりません。これらを円滑に行うことが組織の土台であり運動の根本となります。また、我々の運動を様々な媒体で発信し広く伝播するとともに、事業に沿ったツールで対内周知と対外広報を行い事業における効果を最大限に引き上げることが社会的信用と外部団体との協力体制の確立につながると考えます。そして、日本青年会議所・東北地区協議会・山形ブロック協議会及び県内外の各地青年会議所との連携や協力を行う中から、組織運営力の向上や青年会議所運動の昇華につながる相互関係の構築が、組織の土台安定と誠実な組織運営、より一層効果的な運動を行う環境が整い、事業の質と組織のブランドが向上し効果的な運動につながります。

【次世代の担い手】

地域に対し影響力を持ち市民の誇りとなる運動を展開し続けるには、より多くのメンバーが必要となります。鶴岡に限らず青年会議所とは40歳で卒業する規制があり、常に会員拡大をし続けなければ組織が衰退し存続することができなくなります。鶴岡青年会議所に昨年35名の新たなメンバーが加わり一時は100人を超える組織となりましたが、昨年と今年で46名のメンバーが卒業します。それにより組織の半数近いメンバーが卒業し、入会間もない、また、理事を体験してないメンバーが増える現状にあります。だからこそ会員拡大とともに青年会議所メンバーとしての意識と自覚を伝えることが重要です。昨年、会員拡大の実績が日本青年会議所で行う拡大褒章にノミネートされました。全国各地の青年会議所メンバーが集う会場で鶴岡青年会議所と呼ばれることを信じておりましたが、結果として日本一にはあと一歩及びませんでした。私を含め、その場にいたメンバー、またその場に来ることが叶わずとも鶴岡で発表を心待ちにしていたメンバーが皆一同に悔しい想いを経験しました。しかし、このような経験をいただいたことにより、より高い目標を目指すきっかけとなり、会員拡大をメンバーが全力で推し進める覚悟をもち、組織の総意として行うべきです。何より鶴岡青年会議所にとって継続的な会員拡大が必要となります。そのためには、本年推し進める会員拡大の必要性と手法をメンバーが理解し、意識的に行うことで、運動へ対する効率的かつ斬新な考え方や人員的な担い手が増え、事業の質が向上するといったメリットにつながります。また、新たなメンバーに対して、活動の中から自身の成長へつながるきっかけと、地域においてリーダーシップをとれる人財や社業及びビジネスチャンスへ活かせる人財の育成につなげることが重要です。鶴岡青年会議所にある魅力をメンバー全員が心に持ち、胸を張って会員拡大を推し進め、未来につながる運動の創造と有効な自己成長のできる組織となります。

【地域を牽引するための組織】 

青年会議所はメンバー同士が共に心と力を合わせて行動し、より良い地域とするために市民意識を変革する運動を起こすことが本質だと考えます。本質に向かい行動を起こすとき1人の個ができる役割は限られた力かもしれませんが、自らの担いを把握した個が集まり明確な共通の目的に向かう活動から大きな運動が生まれます。しかし、個の能力や成長過程はさまざまであり、組織との結びつきを考えメンバー全員が成長でき得る組織が求められています。それには、組織として行う活動の中から個が学び成長できるプロセスを構築し、個の成長につなげ、より組織の強化がなされ質の高い事業を推し進めることで地域の発展に結びつきます。そして、行政及び関係諸団体へ向けて我々の運動を発信し地域の未来へ向けた想いを共有し、組織同士の相互理解をふかめ、双方の目指すビジョンを高めあい、事業を遂行することで地域に根差した運動へつながります。1つの事業や1年間という短期間でメンバーの意識や組織の強化に直結するわけではありません。日頃より個人と組織のつながりと相互の向上心を持って組織運営を行っていくことが重要です。青年会議所には、個人の機会、地域の機会、国際の機会、ビジネスの機会があります。メンバー自身が様々な機会に対して積極的に行動を起こし、行動の中から自身を変革しようとする当事者意識を醸成することでさらなる組織の強化につながります。

【未来を担う宝】

人口減少や少子高齢化が叫ばれ続ける中、鶴岡においても2040年以降には総人口が10万人を下回る推計がとられています。また、全国的にも人口一極集中が問題視されていますが、鶴岡においても地方から市街地への人口流出が加速し、小学校の統廃合が行われ、かつて見た地域における子供たちと、隣近所の方々とのコミュニティが失われつつあります。そして、出生数も減少傾向にあり、子供が住まう実家庭数が減少している現状があることから、鶴岡の未来ビジョンを描くには不安な現実があります。また、我々の運動の一つとして、子供たちに地域の魅力を伝える事業も行っていますが、メンバーである前に親として子供と接し、親が愛情をもって教え、子供とともに学べる機会を創造する必要があります。なぜなら、子供たちが成長する中で最も必要とされるのは親の無償の愛だと考えます。子供たちが成長し、地域の未来を担う存在であるのであれば我々子育て世代の青年は次世代の担い手である子供たちを育てる責任があり、我々がわが子を想うように地域の子供たちと事業を通じ親しみ教えることで、ともに成長し鶴岡の未来を想い描ける青少年の育成につながります。また、鶴岡青年会議所における「わんぱく相撲」においても子供たちに強い精神と、健全な育成を目指す親にとって必要不可欠であり、多くの子供たちが目標とし、それに向けて努力することは子供たちが成長する過程において有効だと考えます。親子が多様な機会において絆を深め、ともに成長することで家族というコミュニティが愛情と笑顔で溢れ、地域の明るい未来ビジョンを描きます。

【組織の進化】

本年、鶴岡の地において第52回山形ブロック大会が開催されます。山形県内各地会員会議所メンバーが一堂に会し、県民・市民に青年会議所の運動と鶴岡の魅力を最大限に発信する機会を迎えます。鶴岡での開催は10年ぶりとなりこの機会を鶴岡青年会議所と鶴岡という地域に対しどのような効果を生み出すかが重要です。昨年私はブロック大会を主催する側として主管青年会議所と接する中で、地域を愛し地域の魅力を発信し未来へつなげたいという大きなパワーを感じました。そのパワーが組織の昇華に直結するのだと確信しました。この度我々がいただいた機会を今しかないチャンスと見定め、鶴岡という地域に根差して運動を展開する我々がより地域の魅力を掘り下げ、メンバー全員で鶴岡の地で開催することの意義と本質を見据えて取り組んでいかなければなりません。鶴岡に存在する様々な魅力を効果的な発信方法に変換し、青年会議所としての運動方針とリンクさせ、地域の未来につながるビジョンを見出すことで、県内各地から訪れるメンバーに対して鶴岡青年会議所の運動を理解していただくとともに、事業を通じ県民・市民の共感につなげ、地域活性の担い手としての当事者意識を生み出し、人と人、人と地域、地域と地域のつながりを創出します。また、会員間の交流により県内のメンバーと結束を高めあうとともに、今後我々が行う運動に対する意識の高揚につなげることで地域を牽引していける人財へ成長し、組織の質を高めます。

【鶴岡の進化】

これまで28年の歴史と熱い想いを受け継ぎ、様々な課題や問題に対して真摯に向き合い、ともに協力し知恵を出し合いより安心安全な大会運営に向けて開催してきた赤川花火大会。「感動」というキーワードが私にとって強く刻まれています。子供たちが赤川花火大会観覧席から初めて目にする花火大会という経験の中で、「感動」という感情により涙を流したという実体験があります。この体験から、子供と生涯接する中で私の言葉や行動で涙を流すほどの感動を与えることができるのか自問したことがあります。答えを探すより、この「感動」を多くの子供たちに届けるべきだと決意し今日まで運営に携わってきました。大会運営で様々な担いを体験させていただく中で、大会規模拡大による課題や問題へ向けた改善や変革を行いながら運営してまいりました。そんな中、各部会業務が拡大しているにもかかわらず担い手の減少という現実があります。また、近年の大会運営は、携わるメンバーが大会遂行における業務の拡大に戸惑いを感じている現状があります。しかし、昨年行われた28回大会において「誇り」という大会テーマが掲げられました。まさに大会運営に携わるメンバーや、関係諸団体、そして多くの来場者を迎える鶴岡市民の皆様にとって赤川花火大会という存在意義の表れであると思います。29回目の大会を迎えるにあたり、これまで来場いただいた方々や運営に携わる組織内外の皆様より30回大会の開催について大きな期待をいただくこととなります。であるからこそ、赤川花火大会が地域に根差す事業であり続けるために、大会運営を多角的視点から見つめなおし、効率的で効果的な運営方法を考え、より地域の発展に寄与するために進化を遂げることで次世代への継承を行います。7年目を迎える鶴岡お祭りウィークとの連携についても、互いに事業に対しての理解を深め協力と連携による相乗効果を高めあい、より鶴岡の魅力を発信するツールとして成長していかなければなりません。より多くの子供たちに感動を届けるために「誇り」を胸に絶えず成長することで新たなビジョンを目指します。

【結びに】

我々が住み暮らす地域をより良くしていくにはより小さいコミュニティからよくしていかなければいけないと考えます。それは、自分であり愛する家族です。自分や家族が豊かでないと地域を豊かにはできません。自分の視野に映る家族や仲間、愛する地域に住み暮らすみんなの笑顔を見ることができるよう一歩一歩踏み出していきましょう。

より良い未来に向けて。

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