理事長所信
2023年度理事長 伊藤 暁生
はじめに
鶴岡青年会議所は1967年に全国で343番目の青年会議所として設立されて以来57年間、行政や関係諸団体、地域に関わる多くの皆様からの支援と、先輩諸兄姉の熱い思いと弛まぬ努力によって脈々と受け継がれ運動を展開してまいりました。
私は高校卒業後、鶴岡の地を離れ暮らしておりましたが、多くの人に影響を与えた東日本大震災をきっかけに鶴岡に戻ってくることになりました。当時は青年会議所という組織が何をしているのかもわかりませんでしたが、先輩からの誘いと、会社の代表であった母に鶴岡で仕事をしていくうえで人脈は必ず力になるからと言われ入会を決意しました。それは、40代半ばで突然経営者となり、人脈が無い中で苦労したからこその言葉でした。
入会当初は、行けるときに行くという軽い気持ちでおりましたが、事業に関わる先輩たちの姿を見て参加してみようという思いへ変わっていき、2年目で委員長の役を受けてからは積極的に事業や各種大会へ参加するように意識が変わっていきました。その後は様々な役職を経験しながら地域を良くしていきたいという仲間と共に課題解決に向けて邁進してきましたが、その中で自分の成長を実感し、この経験を大好きな故郷のために活かしていきたいとの思いから本年理事長の役を受けさせていただきました。
未だ収まらない型コロナウイルスやロシア、ウクライナ問題と取り巻く環境は目まぐるしく変化しておりますが、戦後の動乱期にできた青年会議所の創始の思いを受け継ぎ、明るい豊かな社会へ向けて邁進していきましょう。
公正な組織運営と対外広報
公益社団法人として運動を行う我々の組織は、定められた各種法令や鶴岡青年会議所定款及び諸規定に基づいた運営と公益会計基準に基づいた適正な財務執行が求められます。また、我々の運動を効果的に広く発信するために様々なツールを使い対内外広報を行います。それにより、今まで以上に社会的信用を増加させ、行政、諸団体の皆様との協力体制を強固にする効果が見込まれます。併せて日本青年会議所や東北地区協議会、山形ブロック協議会、各地青年会議所との連携、協力を行うことで多くの出会いや気づきを得ることができ、組織運営力や運動の質の向上にもつながっていきます。さらには災害時における支援ネットワークや連絡体制の合理化、連携協力の強化を目指します。
組織の成長と個人の成長
鶴岡青年会議所は2003年の111名を超えるメンバー数をピークに会員減少に転じましたが、近年の会員拡大の頑張りによってなんとか微増を保っているというのが現状です。しかし、卒業生や退会者を含めるといつ減少に転じてもおかしくない状況であり、常に会員拡大を意識していかなければなりません。私は2020年に会員拡大の副理事長を経験させて頂きました。コロナ禍で活動に制限がある中の拡大に不安がありましたが、たくさんのメンバーや先輩諸兄姉に助けて頂き、20名の方々よりご入会頂きました。会員拡大は一人ではできません。メンバー全員で拡大の重要性を認識することが大切です。また、近年ジェンダー平等の観点から女性会員の拡大に力を入れておりますが、まだまだ女性比率が少ない状況です。多様性をもった組織を目指すべく一人でも多くのメンバーを仲間に加え、誰もが活躍できる組織にしていく必要があります。そして、入会したくなる、入会させたくなる組織には個人を成長させてくれるということも大きな一因になります。加速度的に進む少子高齢化やテクノロジーの進化など外部要因が大きく変化している現在、求められる能力は多様になっています。様々な職種が集まる青年会議所で能力を磨き組織に活かせる力を身に着け、その力を活かし社業を成長させていくことで地域を盛り上げ、より地域にとって必要な組織へと成長していく。そんな人が集まる組織にして行く事が持続可能な組織となるのではないでしょうか。
未来を担う人財の育成
2019年まで継続事業として行われてきたわんぱく相撲大会、2020年からは参加推進しながらも新たな青少年事業に力を注ぎたいとの思いからそれまでとは違う形での継続を行う予定でした。しかし、新型コロナウイルスの影響により2020年、2021年と事業を開催することができず、2022年度は規模を大きく縮小し開催いたしました。今後どのような形になるかに関わらず、長年継続事業として行ってきたわんぱく相撲をしっかりと引き継ぐためにも、今一度青年会議所の事業として行います。日本の国技である相撲を通して、子供たちに礼節や目標に向かって努力すること、勝つ喜びや負ける悔しさを学び、体験してもらうこと、そして支えてくれている周りへの感謝の思いをもってもらうことで自身の成長を感じてもらいます。また、私たちメンバーも地域を担う人財として多くのことを学ぶ必要があります。人を惹きつける力というのは知識や金銭からだけでは生まれません。本当に人を惹きつける力は人の内面にこそあり、人として生きる上で大切なこと、根本ははるか昔から変わっていません。目まぐるしく変わる今の世の中だからこそ、人間の根っこの部分を学び、人を惹きつける魅力をもつリーダーを目指します。
第30回赤川花火記念大会の開催
2020年に行われる予定だった第30回赤川花火記念大会。地域を豊かにしたいという思いから始まり、この地域の夏の風物詩として定着し、全国からも注目を浴びるほどの大会へと発展した花火大会の記念すべき30回目の大会。しかし、新型コロナウイルスの影響が大きく、苦渋の判断により中止とさせて頂きました。2021年では、まだまだ新型コロナウイルスの影響が収まらず有観客での開催は行わず、30日間に渡っての分散開催として行わせて頂きました。そして、2022年では3年ぶりの有観客として「赤川花火プレゼンツ2022」が開催されました。通常の大会に近い形での開催となる中、経験の浅いメンバーが多数を占める状況ではありましたが、地域の皆様や先輩諸兄姉の多大なる協力もあり、大きな事故もなく多くの人々に喜んでいただける結果となり、大成功で終えることができました。本年も新型コロナウイルスの影響は依然ありますが、2022年での経験と反省を活かし4年越しとなる第30回赤川花火記念大会を開催いたします。見てくださる方に笑顔と元気、そして感動を与え、運営に携わる人の成長にもつながる大会を構築し、地域の誇りである赤川花火大会を継承していきます。
地域諸団体との連携推進
私たちが住む鶴岡市は、海、山、川、里と自然豊かな地域であり、日本で初めて「ユネスコ食文化創造都市」に登録された市でもあります。また、歴史的にも市としては全国最多の日本遺産を抱えており、豊かな食文化や歴史に触れることができる魅力あふれる地域となっております。さらに、歴史や文化だけではなく鶴岡サイエンスパークを中心とした最先端の技術の開発にも力を入れており、未来に対して明るい可能性に満ち溢れております。しかしながら、少子高齢化の加速、人口流出による人口減少は進んでおり、課題も多くみられます。この課題を解決するためにも、この地域を良くしていきたいと思いを同じにする行政や諸団体と共に事業を行い、スケールメリットを活かした発信によってより多くの方達へ私たちの活動やこの地域の魅力を伝えていきます。
結びに
鶴岡青年会議所に入会し7年。入会年以外は理事として青年会議所と携わってきました。
大変なことはたくさんありましたが、事業を構築しやり通した時の達成感、関わった人たちの笑顔を見た時の喜びは苦労したからこそ得られたものだと確信しております。
「楽しいと楽は違う。楽して得たものはある程度の感動しか得ることができない。本当の感動は苦労の先にある。それこそが楽しいということではないか。」
ある研修で私が聞いた話です。苦労を乗り越えた時人は成長します。一人ひとりの成長が組織の成長を促し、組織の成長が地域の成長へと拡大していく。
一人でできることは限られています。しかし、今出来ることを精一杯頑張れば、組織が、地域が、国が変わっていきます。
この地域を良くしていきたいという志を同じくする仲間と共に明るい豊かな社会の実現にむけて歩んでまいりましょう。
2023年度スローガン
基本理念
一人ひとりがおかれている環境で精一杯努力し輝くことが、組織を良くし、明るい豊かな社会の実現につながっていくと信じ、歩みを進めていきます。
基本方針
- 地域を担う人財育成と会員拡大へ
- 地域の未来を担う若者の育成
- 地域に愛される赤川花火大会の継続と継承
- 公益法人制度・定款・規定に基づいたLOM運営
- 地域・諸団体との連携を重視した運動の実施
- 各種大会・例会への積極的参加
事業計画
- 社業に活かせるビジネス力向上事業の実施
- 組織全体で取り組む行動力ある会員拡大の実施
- わんぱく相撲鶴岡場所の開催及び各種大会への参加
- 人間力の向上を目的とした事業の実施
- 地域に愛される赤川花火大会の継続と継承
- 時代に即した規律ある組織運営と対外的広報活動
- 行政、地域関係諸団体(パートナー)と連携して行う事業の実施
- 東北地区協議会、山形ブロック協議会が主催する運動への協力
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