公益社団法人鶴岡青年会議所

2017年度スローガン「想いを、未来のカタチに。」~行動こそが歩みを創る~

理事長所信

公益社団法人鶴岡青年会議所
2017年度理事長 井上 貴利

はじめに

鶴岡青年会議所は1967年に、全国で343番目の青年会議所として創立し、これまで先輩諸兄が絶え間ない努力と知恵そして志をもって今日まで受け継がれ昨年、創立50周年を迎えました。この歴史を受け継いでいくためにも、我々がこのまちの宝を再認識し、新たな価値を創造していかなくてはいけません。青年会議所は明るい豊かな社会の実現に向け、市民意識変革運動を行ってきました。変化する時代を見据えながら理想を掲げ次世代に継承し、明るい豊かな社会を実現する責任があります。

私は、高校卒業後に小さな頃から大好きだった家業である農業の道に入りました。農業は自然の力と向き合い、稲作に関しては春に種まきをし、秋に収穫をする、これが農業であり一生に一度しかない大切な一年です。成功も失敗も自分の努力と考える力が私を前進させる源となります。しかし農業情勢も混沌としている時代で今だからこそ、自分自身が成長し5年後10年後と自分の未来を創造していかなくてはならないと考え、この鶴岡青年会議所に入会しました。

また、私の生まれ育ったまちは、四季の変化がはっきりとした自然の豊かな地域で、また農作物や山菜、旬の地魚など日本でも有数な穀倉地帯であり地域での食文化も継承されています。この食文化や自然と雄大な風景を大切にしていき、次世代まで繋ぐ役割があると思います。さらに、この地域でも人口減少に伴い高齢化社会が進んできている状況にあります。小学校の合併・統合が進む中において地域コミュニティの減少の傾向が懸念されています。そして、子供たちが将来の夢や目標を創造し未来に向け希望を描ける、明るい豊かな社会を我々が創っていかなくてはなりません。

そして、地域の明るい未来には我々青年の知恵と行動力が必要不可欠であり、鶴岡青年会議所会員が、今という時間を大切に新たな価値を生み出し、明るい豊かな社会の実現に繋げます。行動こそが歩みを創り「想いを、未来のカタチに」していかなければなりません。

あふれる未来

少子化や核家族化の進行により子供を取り巻く環境は、大きく変化しています。さらには人間関係の希薄化が問題視されています。これからは、地域に住む周りの大人たちが子供を温かく見守り、積極的に関わっていくことが必要不可欠です。だからこそ、子供たちが将来の想像を出来る環境で体験することで希望と夢をつなぎ、明るく元気な子供を育てていかなければなりません。この地域に住む大人たちからの教えによって育まれ、その子供たちが大人になって次の世代へ引き継いでいくものです。我々自身が子供たちの未来を担っているのだとしっかり認識し行動していきます。

また、次世代を担う子供たちを育成することは、この地域の未来を創造することと言っても過言ではありません。世代が変われば今の子供たちが社会の中心となり、その次世代を担う子供たちもいます。しかし、繋がっていく段階で、歯車が一か所でも壊れてしまえば、その先の社会は当然悪い方向へ進み、修正はとても難しくなります。だからこそ、大人としての責任を持ち、今の子供たちへ正しい道へ導く、青少年健全育成が必要なのです。そこで、鶴岡青年会議所では勝つことの喜び、負けることの悔しさ、相手への思いやりの気持ちを波及させるため、わんぱく相撲鶴岡場所を開催し、小学生の育成を行います。また、青少年の健全育成は子供たちが未来を創造していかなくてはなりません、次世代を担う地域の子供たちに目を向け将来を創造できる育成事業を行うことにより、地域の未来に繋げます。

地域のビジョンを創造できるまちへ

我々が住むこのまちには、鳥海山、出羽三山、日本海に抱かれ米どころとして有名な庄内では、米以外にもたくさんの優れた資源が溢れています。そんな地域の素晴らしさを伝える想いから、食の都庄内を発信しています。また、今ある地域の魅力は必ず観光にも繋がります。しかし、この多くの資源は地域に住む人々の心にどれだけ根付いているのでしょうか。この魅力をしっかりと市民と共有することが、この地域を発信していくためにも大切なことだと思います。近年、どうしても外向けに発信する手法を創造しがちでありますが、まずは、この地域に住む人々がその豊かさに自信を持ち魅力を認識し、もっと身近に感じることが必要です。そこから地域力が生まれ県内外にも発信をしていけると考えます。

さらなる未来強化

我々が青年会議所運動に多くの時間を使うことができるのは、我々を支えてくれている家族の存在があるからです。常に感謝の気持ちを忘れてはなりません。我々を支えてくれている家族に、我々の行っている地域での運動は伝わっているのでしょうか。積極的に青年会議所の情報を発信し、青年会議所運動を伝播していきます。青年の学び舎である青年会議所で経験を積むことで必ずプラスの結果が生まれます。

我々が青年会議所運動を継続して行えるのは、同じ志をもつ仲間が多く存在するからです。青年会議所は20歳から40歳までの青年で構成されており、組織は毎年変わります。毎年新たな仲間を迎え入れるとともに40歳で卒業します。この単年度制と卒業が組織の活性化を促進しているともいえます。

近年会員数が減少傾向にある中、多くの先輩諸兄が多大なる情熱と努力のもと築きあげてこられた青年会議所運動を受け継ぎ、未来へ繋げていくために会員の拡大は最も重要であることは間違いありません。

業種、地域、年代など多くの共通点を持った仲間が鶴岡青年会議所の事業を通し交流をすることで、青年会議所運動への共感の輪を広げ、会員拡大を進めていきます。

地域から誇れるまち

今年で赤川花火大会は27回目を迎え、これまで多くの市民や企業、行政、諸団体との関わりを創り上げてきました。地域を誇りと思えるまちづくりを考え、前進していくものであります。そして、大会を運営するうえで、より安心・安全な花火大会にする対策も、進めて行かなくてはなりません。組織の見直しと、市民・行政関係との連携も重要課題として意識を持ち、より安全な大会構築を行なっていきます。

この第27回赤川花火大会はさらに、市民の誇りと感動が必ず地域や人の心へ伝わり、未来へ繋がります。

鶴岡の夏を代表する、鶴岡お祭りウィークが今年で5年目を迎え、荘内大祭・山王おぃやさ祭り・赤川花火大会が連携し、市民や他団体を巻き込むことで、鶴岡の夏を盛り上げさらなる地域の発展に繋げていきます。

組織運営の可能性

我々、青年会議所会員は青年経済人として今後経営者となる者、企業経営の重要な役割を担う人材で構成されており、その理念を達成するためには、一人ひとりの成長が必要不可欠だと考えます。運動を展開していく過程において、円滑な組織運営や緻密な委員会運営こそが、我々の思いをより強くすることができます。また、各種大会に率先して積極的に参加をすることで新たな価値をみいだすことが一人ひとりの成長に繋がります。そして、運営を通して得た学びや経験を社業へと活かし地域経済が活性化することこそが、私たちの目指す明るい豊かな社会へと発展を遂げていきます。さらに、会員同士の繋がりを強固なものにしていき、我々が行う運動を共有することができ質を向上することができます。

しかしながら、時代の変化とともに我々の組織も対応し、常に成長し続けることが必要不可欠であります。さらに進化する組織となるためにより良い変化を求め、実行していく必要があります。そして、この仕組みの中には今日まで続くJC活動の基盤となる財務・規則面の健全化を図りながら組織や事業の透明性、開示性、公共性を明確に示していかなくてはなりません。

結びに

明るい未来を創造していくためには、一人ひとりが当事者として、このまちと、そこに住む人々を想い、夢と希望を持つことから始めなければなりません。また、未来を自由に創造できるのが青年会議所なのです。青年会議所には志を同じくする仲間が大勢います。同志とともに切磋琢磨し議論を重ねながら、一人ひとりが率先して行動していくことで、地域の発展と市民の意識変革に繋がります。さらに、我々が行動を起こし成長・挑戦することが未来のカタチを創ります。