2021 方針

2021年度理事長所信

ダイバーシティ推進やSDGsなど、サステナビリティの考え方が必要な現在に、JCI鶴岡は、55年目の節目を迎えます。55年という歳月の中で、先輩方は幾多の困難を乗り越え、英知と勇気と情熱をもって運動を展開し、課題を解決し地域を牽引してこられました。その運動、一つ一つが礎となって現在のJCI鶴岡が存在しています。先輩方が抱いてこられた「高い志」は「明るい豊かな社会」を実現しようという強い使命感そのものであり、これまで途絶えることなく脈々と受け継がれてきました。

しかし設立当初から時代は変わり、JCを取り巻く環境や、我々の生活環境は大きな転換点を迎えています。経済成長は緩やかになり、生産量ではなく質が問われる時代に変化し、AIの登場でこれまでの仕事の存在意義が変化しようとしています。気候変動の影響で日常的に世界のどこかで人々の暮らしが脅かされる程の自然災害が発生し、また新型コロナウイルスを起因とパンデミックにより社会的、経済的、政治的な危機に直面するなど、様々な側面で世の中が変化してます。

地域を代表する青年経済人の集合体がJCである以上、地域との結びつきが問われる新時代を生きる当事者として、時代の流れを把握し、変化に対応する勇気と、不変の理想を追求する熱い情熱を胸に、行動する必要があるのです。こんな時代だからこそ、創始の精神を今一度噛みしめ、JCI鶴岡のビジョンを明確にし、真の信頼で力を合わせ、未来に向けた新たな一歩を踏み出していきましょう。

公益社団法人鶴岡青年会議所
 第55代理事長 五十嵐 由浩

鶴岡JC概要

JCI鶴岡は2003年の111名を超えるメンバー数をピークに会員減少に転じ、近年では卒退会者を差し引く純増数は微増で、80名を切る会員数となっています。組織として社会に対する発信力が十分であるとは言えない状況にあり、このまま会員減少が続くとこの地域からJC運動が消滅してしまう可能性があります。会員拡大こそがJC運動の根源であり、地域の活性化に繋がることを理解しなければなりません。現状を分析し、JCI鶴岡の実態に見合った拡大計画を立案し、メンバー全員で会員拡大に参画する仕組みを確立し、組織力を高めていく必要があります。

そして持続的な組織拡大をもたらす最大の鍵はメンバーの成長にあります。直近3年で約80名のメンバーが入れ替わり、組織が若返っています。若いメンバーの成長なくして、会員拡大はあり得ません。より良い変化をもたらす力を青年に与えるために発展・成長の機会を提供することがJCのミッションであり、一人でも多くの若者を育成すること、ひいては自分自信が成長し、より良くなることが重要なのです。本年はJCI公式コース、推奨コース及び日本JC公認プログラムを積極的に取り入れ、JCの本質や目的、行動する意識を高めるための具体的な機会を定期的に提供し次代のリーダーを育成します。私たちの成長は地域の成長につながり、成長した姿を、会社や友人や家族が見ることで、自身の周りへ良い影響を与えることにつながっていきます。地域社会から必要とされる持続的な組織であり続けるためには、メンバー一人ひとりが同じ志のもと、主たる目的をはき違えることなく、経験を通じ成長するという姿勢ですべてに向き合い、運動を展開していくことが重要なのです。

我々が住み暮らす地域は加速度的に少子高齢化が進み、地域社会の未来の担い手である若者の流失によって消滅可能性都市に位置付けられ、地域としての存続が危ぶまれています。持続不能から持続可能な地域にするための鍵となるのは、これからの未来を創造する若者であり、若者は大切な地域資源です。鶴岡で暮らしたい、鶴岡に帰りたい、鶴岡で仕事がしたい、と思う心は郷土愛から生まれるものです。若者が鶴岡を誇りに思い、住み続けるためには、鶴岡の地域資源に秘めたポテンシャルを肌で感じ地域の人々とつながることが必要です。3つの日本遺産の歴史、文化、自然、城下町、世界に誇る食文化、温泉など、それらを知る事によって初めて地域の魅力を市内外の方々に発信する事へとつながっていきます。無限の可能性を秘めた若者が主人公となり地域づくりに主体的に参加し、若者の創造性を引き出す機会を創出する必要があるのです。次の時代のまちづくりはすでに始まっており、その未来は若者に託されています。

2020年8月15日に予定をしていた第30回赤川花火記念大会は、新型コロナウイルスの影響により総合的に判断し、延期を決断しました。30年前、地域を豊かにしたいと言って始まった赤川花火大会は、年を増すごとに大会規模が大きくなり、地域のシンボルとして発展を遂げてきました。しかし時代の変遷により生じる打ち上げ環境の変化や、ソーシャルディスタンスを取り入れた新たな環境整備など、課題は山積みです。

新しい花火大会へと進化させるために、あらためて赤川花火大会の開催理念を明確にし、目的を見失うことなく、綿密な準備を進めなくてはなりません。また決して忘れてはいけないことは多くの市民や企業、行政などの関係各所からのご支援、ご協力に対する感謝の気持ちであります。協力を求めるということは、「益」をきちんと指し示す責任があるのです。赤川花火大会の新たな礎を築くために行政や地域、関係各所と議論を重ね包括的な社会連携協定を結び、地域社会全体で赤川花火大会を進化させ、次の世代へと伝統を継承させていきましょう。

テクノロジーの進化は目覚ましく、2045年には人工知能AIが人間の知能を超えるシンギュラリティが到来することは確実です。また5Gの導入をきっかけにIoT時代に即したハイテク技術が盛り込まれ、人々の暮らしを一変させデジタル化は加速するでしょう。物理的な距離の壁は無くなり、ビジネスも形を変えていきます。今まで人間が行っていたことは全てロボットが作業をするようになる可能性すらあります。既存のビジネスモデルが崩れ、業界自体が丸ごと無くなる事も予想されています。これほど変化が大きく、早く、予測不能な現在に我々は何をすればいいのでしょうか。

テクノロジーの進化は悲観的な結果を生むばかりでなく、利便性が向上するというプラスの側面もあります。多種多様なイノベーションが日々巻き起こることが重要であり、独自の発展を遂げていく地域こそ、新時代に求められているのです。地域に生きる青年経済人の責任として新たな時代を肯定し、地域の生き方を再定義する必要があるのです。かつて日本には、一村一品運動という地域政策がありました。一つの村に一つの特産品を創り、地域を盛り上げていこうという取り組みです。今の時代に創り出すのは特産品ではなく、産み出すべきなのは「モノではなく価値」であるのです。それは我々の住み暮らす地域の中だけで提供される価値であっても良いのです。一つ例を挙げるとするならば、これまでとは違った意味での安定供給、例えば地産地消もその価値の一つです。我々は新たな価値を創造し新時代を切り開く必要があります。

鶴岡市は2020年7月に内閣府よりポテンシャルの高さを評価されSDGs未来都市に認定されました。この流れを止めてはなりません。JC運動で最も重要なことは、市民の意識を変革し社会を変える意識変革団体でなければならないのです。

近年、世界では、猛暑や豪雨など温暖化が原因とみられる異常気象による災害が増加しており、もはや気候危機という状況にあります。鶴岡市もその被害の例外ではなく、記録的短時間大雨に見舞われる被害が発生しました。日本各地でも、これまで経験したことのない豪雨や大型台風等による甚大な被害が発生しています。こうした被害から人々の生命と財産、社会インフラ、そして、自然や生態系を守るには、根本的な解決策として、2030年までに地球の平均気温を産業革命以前より1.5℃以内の上昇に抑える必要があり、その延長線上で2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることが求められています。将来世代に健康な地球を残すためにも、鶴岡市は国際社会の一員として、脱炭素社会の実現を目指し、2050年までに本市の二酸化炭素排出量をゼロにする「ゼロカーボンシティ鶴岡」へ表明する事を提言し、市民や事業者と一体となって取り組む必要があります。

CI鶴岡の55年の歴史は、「志」の歴史です。いつの時代もどんな時代も、志を同じくする仲間との絆であり、仲間への真の信頼と感謝であったはずです。JCがあなたに何かをしてくれる訳ではありません。あなたがJCで何を感じるのか、何を得るのか、何が出来るかなのです。 「志」とは夢、目標、ビジョンであり、自分で見つけるものです。

世に生を得るは事を成すにあり。 ~坂本龍馬~

人がこの世に生まれてくるのは、何かを成し遂げるためだ、という意味です。私はどんなことであれ「志」をもって生きることが、人生を意義あるものにしてくれると信じています。
何も挑戦せず、自分の殻に閉じこもったままではいつまで経っても成長はありません。原点に立ち返り、勇気をもって自分の殻から新たな一歩踏み出していきましょう。そこにはきっと新しい世界が広がっているはずです。

志高く、未来に向けた一歩を踏み出そう、夢と笑顔広がる鶴岡の明るい未来に向けて。

基本理念

近未来を見据えた人財育成による価値ある地域「SDGs未来都市鶴岡」の実現

基本方針

  1. 組織改革から持続的な組織拡大へ
  2. 地域の未来を担う若者の育成
  3. 地域に愛される赤川花火大会の継続と継承
  4. 近未来に必要とされる価値ある地域への再興
  5. 地域にインパクトを与えるSDGsの推進

事業計画

  1. 自己成長を求める志高き次世代JAYCEEの人財育成と組織改革の実施
  2. 組織全体で取り組む行動力ある会員拡大の実施
  3. 郷土愛を育むことを目的とした青少年育成事業の実施
  4. 地域に愛される第30回赤川花火記念大会の継続と継承
  5. 近未来を見据えビジネスにイノベーションをもたらすことを目的とした事業の実施
  6. 地域社会でSDGsを達成していくための事業の実施
  7. 時代に即した規律ある組織運営と対外的広報活動の強化
  8. 東北地区協議会、山形ブロック協議会が主催する運動への協力
  9. 行政、地域関係諸団体(パートナー)との連携