理事長所信
2024年度理事長 鈴木 俊将
はじめに
これまでの58年間、鶴岡青年会議所は、先輩諸兄姉の想いを受け継ぎながら、行政機関や関係諸団体など、協力者の皆様からも支えられ、赤川花火大会のような地域の象徴とも言える事業も生み出し、地元へ貢献してきました。近年は一昔前と比べると少数精鋭で活動を行っておりますが、一つ間違えると今までの活動が維持できないリスクも抱えております。また、物事には「節目」が必ずあります。日本でいえば、和暦の変わり目もまたその節目にあたり、平成から令和へ移行した際も大きな話題となりました。私は長い歴史をもつ鶴岡青年会議所にとって初めての平成生まれの理事長となります。これもまた大きな節目と言えるのではないでしょうか。昨今は、持続可能性がキーワードの一つとなり、多様性を重んじる風潮やワークライフバランスを整える環境作りが重要視されるようになりました。鶴岡青年会議所は組織の持続可能性を考えたとき、過渡期に差し掛かっていると感じています。節目であることを一つのきっかけにし、次の節目である60周年に大きくジャンプするためのホップの年として、本年は未来を見据えた持続可能性を追求する活動を行う年と位置付けます。58年前の鶴岡青年会議所の創始の思いはしっかりと受け継ぎ、温故知新、明るい豊かな社会へ向けて邁進していきましょう。
公正な組織運営と対内・対外広報活動
公益社団法人として運動を行う我々は、各種法令や鶴岡青年会議所定款及び諸規定に基づいた運営と公益会計基準に基づいた適正な財務執行が求められます。これらを行うことは、対内的には円滑な組織運営に寄与することとなり、対外的には社会的信用を高める要因となります。さらには、同時に有効性の高いツールを用いての広報活動を行うことにより、その効果は何倍にも高まります。そして、公益社団法人日本青年会議所、東北地区協議会、山形ブロック協議会、各地の青年会議所との連携を強固にし、鶴岡青年会議所の存在感を高めていくことが持続可能な組織を目指すうえでは重要です。
地域のリーダーたる青年経済人として
JCには様々なルールがあります。それらは、我々が青年経済人であるために存在しているものであり、JC の理念に通ずるものです。しかしながら、そういったルールを学ぶ機会は限られ、メンバーに周知徹底できていない現状があります。過渡期の今だからこそ、ルールブックを策定し周知徹底することは、地域にとっての模範的な青年経済人となることにつながり、鶴岡青年会議所の団結を図り、地域からの更なる信頼を得る上で重要です。ホップからステップ、ジャンプにつなげるためには、まずはしっかりと足元を固めなければなりません。ルールの周知徹底はその先の飛躍の手助けになると確信しております。
時代に寄り添った会員拡大
2023年度、鶴岡青年会議所の会員数は近年の微増や現状維持から減少へと転じました。会員拡大はJCの理念を広め、よりよい豊かな地域社会をつくるために必須です。私が入会した2018年度、鶴岡青年会議所は拡大褒賞を受賞しました。60周年を一つの節目と考え、飛躍するためには、今一度拡大褒賞を目指した会員拡大を進め、鶴岡青年会議所の勢いを強める必要があると考えます。一方で、多様な人財が活躍できる環境作りが社会課題になっている今、JCも多様な人財が活躍できる組織でなければなりません。一人ひとりの価値観や考え方に耳を傾け、時には取り入れるべき意見は取り入れながら、仲間を増やしていくことが重要です。会員一人ひとりに、この人であればJC で一緒に活動したいと思える人がいるはずです。その人がどうやったらJCに参加しやすくなるのか、それぞれが真剣に考え環境を作っていくことが、参加の機会を増やし、組織を強化する上では重要なことです。そういった寄り添い合う会員拡大と、会員一人ひとりへのフォローが今こそ必要です。
文化芸術活動を通じた青少年育成
この地域には多くの文化が根付いており、昨今はユネスコ食文化創造都市鶴岡として世界的な注目を浴びておりますが、本来一体として組み込まれているはずの芸術文化への関心が薄く、能、太鼓、舞踊、歌舞伎など多くの地域芸術団体が担い手不足にあえいでいるのが現実です。地域芸術は農村文化の一環として農林水産業と共に発展してきました。地元の文化を学ぶことは、若者たちがこの地域を誇りに想い、地域のために貢献してくれる人財になってもらうために必要なことだと考えます。また、芸術は時には様々な社会的メッセージを発信してきました。社会問題が山積している今だからこそ、この地域の未来を担う若者たちに芸術文化の持つ力を体感してもらうことは、地域の持続可能性を考える上で重要です。
地域のシンボルを持続可能に
2023年度は第30 回赤川花火記念大会が盛大に行われ、一つの節目を迎えました。ここ数年の赤川花火大会の成長は目覚ましく、地域のシンボルとして、全国に誇れる大会になったことは赤川花火大会に関わるすべての人の努力の賜物であります。しかしながら、現在の組織体制で同規模を維持しながら継続していくことは困難になりつつあることも事実です。感動日本一の花火大会を目指しながらも、第31回大会として次なる節目を見据え、組織の持つ課題を一つひとつ解決しながら持続可能な赤川花火大会を追求することは、地域の誇りを受け継いでいくためには必要不可欠です。
JAYCEE としての成長の機会を
本年は山形ブロック協議会会長を輩出します。我々にとって非常に光栄なことで、多くのメンバーが山形ブロック協議会へ関わることとなり、鶴岡青年会議所の底力が試されると言っても過言ではありません。それによるメンバーの成長の機会を最大化し、鶴岡青年会議所へと還元してもらうことは、必要とされる事業構築など、地域にとってなくてはならない組織へと進化するために必要です。鶴岡青年会議所として、山形ブロック協議会を支えながら、密な連携のもと事業を進めて参ります。
結びに
本年は鶴岡青年会議所を持続可能な組織にするためにはどうしたらよいのか向き合うことに力を注ぎたいと考えております。常に地元に対して存在感を示してきた鶴岡青年会議所が、この先も地元にとって必要な組織であり続けることは、この地域の持続可能性につながると確信しております。
さあ、新しい時代へ向けた第一歩をみんなで踏み出しましょう!
2024年度スローガン
基本理念
新たな時代の幕開けに向けた第一歩として、時代に即した組織の形を考え、持続可能な組織を作り上げることが、明るい豊かな社会を築き上げるために必要であると信じ、地域と共に歩みを進めます。
基本方針
- 鶴岡青年会議所のために必要かつ効果的な会員拡大
- 地域の未来を担う若者の育成
- 地域の誇りである赤川花火大会の継続と持続可能性の追求
- 公益法人制度・定款・規定に基づいたLOM 運営
- 公益社団法人日本青年会議所東北地区山形ブロック協議会との密な連携
- 各種大会・例会への積極的参加
事業計画
1-1.青年会議所の理念に基づく質の高い会員拡大の実施
1-2.実効性のある拡大計画の策定と実行
2.文化芸術活動を基にした青少年の育成
3-1.赤川花火大会実行委員会への出向・運営と継続性のある引継ぎ体制の構築
3-2.赤川花火大会の有り方を考える機会の創出
4.規律ある組織の運営と青年会議所ルールの周知徹底
5.出向やオブザーブ参加を通した山形ブロック協議会への積極的な参画
6.日本青年会議所、東北地区協議会、山形ブロック協議会が主催する運動への参加推進