2011年度 社団法人鶴岡青年会議所

理事長あいさつ

2011年度 社団法人鶴岡青年会議所 理事長 所信

2010年度 社団法人鶴岡青年会議所 第45代理事長 工藤規行
 
第45代理事長 工藤規行

序章として

私がこの青年会議所に入会した1999年、その時のJC宣言文に、「変革の能動者たらんとする青年として」という言葉がありました。「変革の能動者」を辞書で調べてみると、「変えて新しくすること」「他からの働きかけを受けずに動くこと」とそれぞれ記載してあります。その当時はこの言葉や意味を意識することもなく、暗記はしていたものの、ごく当たり前に唱和していました。

あれから時は過ぎ現在の宣言文に変わりましたが、昔と違い、「時代」に対して「混沌」という言葉が付いてきました。我々JCは「混沌という未知の可能性を切り拓く」使命を持ち、「まちづくり」・「ひとづくり」のためにこれからも率先して行動していかなければなりません。その行動する人間がJayceeであり、Jayceeは今も昔も変わらず「変革の能動者」であると私は考えます。

モラルとスマートを兼ね備えたLOM運営

2008年に公益法人制度改革に関する法律が施行され、我々青年会議所にもその流れは押し寄せております。鶴岡青年会議所としてもこれまでと同様、社会一般のため、公共の利益になる事業を展開してまいります。そのためには、組織そのものがしっかりとした秩序(モラル)を持ち、機敏かつ率先して行動する(スマート)LOMでなければなりません。

JCをよく船に例えます。船は船長や機関士といった、いろいろな任務を持った人間の集団であって、その乗組員に無駄な人間はいません。船内には無駄なスペースが全くなく、航海に出れば大海原で嵐に遭い、命を落とすこともあり得ます。そのような「個体」の中で任務を遂行するために船とその乗組員には、船長でもどれだけ汗をかいて油で汚れる機関士にもモラルとスマートさが必要なのです。自分もしくは自分達の一つのミスが大きな事故にもつながるからこそ必要なのです。

JCの場合においてもこれは組織、そして会員一人一人にも言えることで、自分の職務をしっかりと把握・学習し、常に先を見据えて行動することが必要です。さらに各セクションのリーダーである理事には担当委員会をまとめ上げるリーダーシップを発揮することも望まれます。その組織の姿は、公益の事業を行う青年団体のあるべき姿ととらえ「モラルとスマート」をモットーとしたLOM運営に努めます。

総務と広報の充実

会社には総務という役割があります。総務は直接的に利益を追求する役割ではなく、どちらかといえば裏方と捉えられるかもしれません。しかし、営業や技術などの各部門がしっかりと職務を全うするためには、このバックオフィス的役割の総務が必要です。

JCの場合、どんな例会においても総務が例会の開会・閉会セレモニーを担当します。その際、しっかりとしたセレモニーが行われないと良い例会には成りえません。スポーツの場合で言えば、選手が最高の状態で試合に臨めるように、試合前には試合に臨む意識を会場全体で高め、最後にその選手の健闘を会場全体で称える場面が必要なのです。 また、我々の運動や情報を内外にどれだけ効果的に発信できるかも含めて、事業の成功に繋がります。素晴らしい事業ができるようにしっかりとした総務と情報発信の構築に努めます。

会員相互における連携・意識・能力の向上による組織の強化

鶴岡青年会議所は今年で創立45周年を迎えます。全国の会員総数が減少している中で、近年も100名以上の現役会員を抱えるLOMとして、現在も各事業を展開しております。

これは鶴岡青年会議所が、先輩諸兄をはじめ、多くの皆様からご支援・ご協力をいただきながら、現在も各分野において活発な運動を展開している団体であるからです。

しかし、2011年度・2012年度は現在の会員数の1/3以上のメンバーが卒業します。これは例年よりも多い会員が一挙にLOMを去ることになります。 LOM組織の弱体化に繋がらないように、まず拡大活動とLOM版アカデミーにおいて新入会員の教育をこれまで以上に充実したものとし、青年会議所に対する理解度を深め、LOMの組織強化に繋がることが望まれます。

今年は、組織のグループ内における縦の連携、委員会・室などの同格同士による横の連携だけではなく、その事業において、その分野に長けた他のグループのメンバーに協力を仰ぎ、枠組みを超えた連携(斜めの連携)を活発なものとし、委員会で不足していると思われる部分を補いながら、成功に向けた運動が展開できるように考えます。そのためには各交流事業においても積極的な参加を促進し、LOM内の更なる結束を深めます。

この地域の未来のためにやるべきJayceeの使命

我々も人の子として生まれ、いろいろな人生を歩みながらも「親」と呼ばれる世代になりました。我々はJCという組織として、この地域の未来に伝えなければならないこと、やらなければならないことがあります。

毎年行われているわんぱく相撲では、日本古来の武道である相撲を通じて、子供たちが格式や礼儀作法を学び相手を敬う気持ちを育成します。また相撲は武器を持たずに裸一貫で組み合う競技であり、一対一の勝負でもあります。これにより子供たちは団体競技にはない勝負の厳しさを知る絶好の機会でもあります。元々相撲が盛んな鶴岡の子供たちが、さらに飛躍できるように今年もわんぱく相撲を行います。

昨今、親が子を、または子が親を殺める事件が多く聞かれます。他にも人間の絆を疑ってしまうような理解しがたい事件もあります。確かに経済状態は中々好転せず、人々の心の中に豊かさが失われつつあるように見えるのは否めません。

今年はこんな時代を打破するために、我々と同じ世代を対象に、「子」について、また「親」について考える事業を展開し、「親」も「子」も一緒に成長できるような環境を考えて参ります。 ž

ローカルコミュニティの創造に向けてもっと地域を知ろう

豊かな漁場である日本海や雄大な鳥海山、月山を望み、250年もの長きにわたり荘内藩酒井家の城下町として栄えた鶴岡市と、赤川・藤島川・大山川の三つの川が交わる庄内のど真ん中に位置する三川町が我々の住む地域です。我々は青年経済人として、経済や文化などのあらゆる分野で地域の発展に寄与する使命を持っております。

ローカルコミュニティの創造に向けて、我々はこの地域を改めて知る必要があり、現在までに至る多彩な文化や歴史を知ることは、自身の教養の向上にも繋がり、我が郷土に対する愛情も深まります。この考えは、外部の人々に対してこの地域を伝える力を養うこともできます。その知り得た知識を元に事業を展開することで、人々に地域の話題を提供し、いろいろな分野で大いなる活力を与えることができます。

「平成の大合併」のその後を考える

先般の市町村合併により、1市4町1村が合併して新鶴岡市が誕生し5年が過ぎました。この合併は、行政の枠組みが変わったことにより、地域社会に大きな影響を与えたはずです。

5年を経過したというこの機会を重要な時期と捉え、我々の活動エリアであり実際に生活をしているこの鶴岡市と三川町がこの5年でどう変わったのかを、青年会議所ならではの若々しい思考の元しっかりと検討し、地域の青年経済人としてこの地域社会の発展を創造していかなければなりません。地域のこれからは我々の世代にかかっております。住みやすく明るい豊かな地域社会の実現に向けて提言して参ります。

感動日本一を目指し続けて

赤川花火大会は今年で二十一回を迎えます。今では全国各地にこの赤川花火大会をこよなく愛する方々が増えて参りました。

これは我々の先輩諸兄がゼロから作り上げ、実績を積み重ねた結果でもあり、我々は、先輩諸兄並びに行政や他団体、地域の皆様など多くの方々の御尽力・御協力に改めて感謝し、この大きな大会に例会として携わっているという自信と責任を持って運営に当たらなければなりません。

昨年の第二十回記念大会は晴天にも恵まれ、大成功に終えることができました。二十回の節目を迎えてなお、赤川花火大会は新たな可能性を秘めております。昨年が赤川花火大会の終着点ではありません。今年も多くの皆様が赤川花火大会を待ち望んでおります。その皆様に「今年も良かった、感動した」と言っていただけるように、燃え滾る赤川花火大会の情熱を更に今年も発信いたします。

45年の歴史を振り返り

人間の生み出す進歩は、時代の流れとともに流行や文化ともなり、人々の生活そのものを変えることが多々あります。現代の日本は戦後の激動を終え、特に高速情報・交通網、機械産業、医療、科学といった、あらゆる分野において目まぐるしい進歩を遂げ、過去には考えられないスピードで新たな文化を発生させております。

そんな中、鶴岡青年会議所は全国城下町シンポジウムや東北青年フォーラム、山形ブロック会員大会など数々の事業を展開して参りました。これまでの先輩諸兄の御尽力に感謝し、この精神を受け継ぎつつも、今この時、これからの未来に対して我々が何をすべきなのか、この先の鶴岡青年会議所がますます活発に運動を展開してゆくための節目の年と捉えます。

創立45周年の今年は、50周年に向けた一つのステップの年です。青年会議所と地域住民の方々と一体となった事業を展開して参ります。

結びとして

旧日本海軍の軍人でのちに総理大臣を務める米内光政は、海軍大臣当時の秘書官だった実松譲に、「人間と言うものは、いついかなる場合でも、自分の巡り合った境遇を、もっとも意義あらしめることが大切だ」と語りました。

我々も単年度で役職が変わりながらも、地域のためにいつも努力を忘れずに行動しております。

米内の言葉とJCはまさしくここで当てはまるのではないでしょうか。その姿は正に「変革の能動者」ではないでしょうか。

今のこの時代だからこそ、「変えて新しくすること」「他からの働きかけを受けずに動くこと」、つまり、新たな心を持ち続け、自ら率先して行動し、輝かしい未来に向けた運動を展開することで「意義」をあらしめる、「変革の能動者」の集団が青年会議所なのです。

その使命を持って、この地域の更なる発展のため精一杯努力して参ります。

JCはその時代の若き先駆者であります。しかし若さと先駆者故の驕りを出すことなく、45年の歴史を踏まえ、これからもこのまちのために45年目の新たな一歩として、それぞれが秘める若々しい天性を開花させます。